「自分の意思で進路を選んだ」高校生は9割超――ベネッセと東京大学の調査で見えた、趣味や探究活動とのつながり

ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所と、東京大学社会科学研究所は、共同研究プロジェクト「高校生活と進路に関する調査2026」の結果を公表しました。全国の高校3年生を対象にしたこの調査では、9割を超える高校生が「自分の意思で進路を選択した」「自分の進路について真剣に考えた」と答えています。

小中学生とは異なる、高校生の勉強する理由の変化
両者は2014年に「子どもの生活と学び」共同研究プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、全国の小学1年生から高校3年生までの親子約2万組を毎年追跡する「子どもの生活と学びに関する親子調査」(親子パネル調査)を行っています。あわせて、高校卒業後の進路を把握するため、高校3年生を対象に2~3月に「高校生活と進路に関する調査」を実施しています。
親子パネル調査では、この11年で小中高生の学校外の学習時間が約2割減り、学ぶ目的意識も低下していることがわかっています。ただし高校生については小中学生と異なり、「新しいことを知るのがうれしいから」「ふだんの生活に役立つから」という理由で勉強する生徒が増えています。

9割超が「自分の意思で進路を選択した」「自分の進路について真剣に考えた」と回答
進路選択をふりかえる質問では、「自分の意思で進路を選択した」「自分の進路について真剣に考えた」と答えた高校生がいずれも9割を超えました。さらに、進路を決めるにあたって「自分から進んで進路に関する情報を収集した」高校生は増加傾向にあり、約85%となっています。
趣味に積極的に取り組む高校生や、社会問題について真剣に考えた高校生が増加
高校生活で自分の「趣味」に積極的に取り組んだ高校生は、2018年から2026年にかけて12ポイント以上増え、約85%となりました。「学校の授業」「学校行事」などの学校生活に積極的に取り組んだ高校生も8割以上にのぼっています。
また、高校3年間で「社会問題について真剣に考えた」と答えた高校生はコロナ禍後に増え、2018年から2026年にかけて20ポイント上昇して約6割となりました。「高校3年間で自分は成長した」「高校3年間の生活に満足している」「仲間と協力して目標を達成した」に「とてもあてはまる」と答えた高校生は4~5割に達しています。調査を行った研究所は、興味・関心のある趣味への積極的な取り組みや、社会問題への向き合い方の変化が、主体的な進路選択と関連している可能性があるとしています。

探究活動に積極的な生徒ほど、進路選択の主体性が高い傾向
約7割の高校生が、高校生活で「探究活動・総合学習」に積極的に取り組んだと回答しました。こうした生徒ほど、「自分で探究する課題の問いを立てる」「課題を解決するための方法を考える」「収集した情報を整理・分析する」「課題を解決するためにグループで話し合う」「学習の成果を人前で発表する」「課題の解決を通じて自分の生き方やあり方を考える」といった学びの経験が豊富で、進路選択の主体性も高い傾向が見られました。
研究所の解説では、高校生自身が興味・関心のあることや社会課題にじっくり向き合い、仲間との対話や試行錯誤を重ねながら学びを深めた経験が、自分らしい進路を切り拓く力につながっていることが示唆されるとしています。プロジェクトでは今後もパネル調査の特徴を生かして子どもの学びの実態を継続的に捉え、子ども一人ひとりが学びに向かうための課題や解決策を社会に発信していくとのことです。
調査の概要
- 名称:「高校生活と進路に関する調査2026」
- 調査テーマ:高校3年生の学習、生活、進路選択についての意識と実態
- 調査時期:2018年と2022年は3~4月上旬、2026年は2~3月
- 調査方法:2018年と2022年は郵送での調査依頼による自記式質問紙調査、2026年は郵送での調査依頼によるWeb回答調査
- 調査対象:全国の高校3年生の子ども(2018年調査:975名・69.6%、2022年調査:894名・66.6%、2026年:837名・45.8%)
- プロジェクト代表者:藤原翔(東京大学教授)、小村俊平(ベネッセ教育総合研究所理事長)※所属・肩書は2026年10月時点


